松野重太郎の足跡
4月27日号のタウンニュースに松野重太郎さんの足跡の記事が掲載されました。
現在のNHK朝ドラの主人公の牧野富太郎(朝ドラでは名前が若干違います)と親交が
あったのが松野重太郎さんです。
横浜市には、約4千種にのぼる植物が自生していますが「横浜」の名がついた植物の
ヨコハマダケは、松野重太郎さんが発見し、当時東京大学の牧野冨太郎に見てもらい
新しい植物であることが分かりました。 現在ヨコハマダケの原産地は、住宅地に
なって見ることはできませんが、今は取り壊されてしまった川和町公会堂(旧川和小
学校)近くの旧松野家の庭に移植され、かたわらに横浜植物会が建てたヨコハマダケ
の英語と日本語の学名を刻んだ記念碑があります。
また、地下鉄グリーンラインの高架近くに目立つ古い大木である横浜市の指定木の無
患子(ムクロジ:種子は固くて黒く、お正月の羽子板の羽子に使用)は、松野重太郎
さんが樹高16m、根回り4.8m、地上1.5mの周囲4.8m、樹齢300年と報告し初めて世
の中に紹介しました。
松野重太郎さんは明治元年(1868)東京深川に生まれ、ほどなくして都筑郡川和
村(現都筑区川和町)の松野家に養子に入りました。はじめは佐江戸寺子屋の教師で
したが、小学校教諭の資格をとり、川和分校の主任を務め、豊永小学校の校長から明
治30年(1897)神奈川県内初の公立中学校「神奈川尋常中学校」、後の県立第
一中学校(現在の希望が丘高校)の開校に参加しました。松野重太郎さんは独学です
が、植物について豊富な知識をもち、全国各地で多くの植物を採集するとともに、多
くの新種を発見しました。明治42年(1909)には松野重太郎さんが中心となり
「横浜植物会」を結成し、昭和8年(1983)には「神奈川県植物目録」を出版す
るなど、植物会に多くの業績を残しています。